平成23年10月29日(土)~30日(日)、第10回学術集会が日本赤十字看護大学において開かれ、「看護の技を磨く」というメインテーマのもと、多くの皆様のご参加を得て終了いたしました。
第10回学術集会は、学会がスタートして10年という記念すべき節目の時であり「看護技術論の課題」というシンポジュームにおいて、技として磨きあげることの困難さと、その複雑な様相、また技術の実践における位置づけ等が討議されました。
シンポジューム2題、キーセッション5題、この中には「看護の技を支える用具の変遷」として医療機器・用具の開発の歴史的変遷が報告されました。会場内に展示された各種看護用具と併せて、歴史的発展の中にあることを実感することができたのではないかと思います。
交流セッション14題、一般演題96、さらには学生交流セッション15題、それぞれ活発な討議がなされました。
初日の特別講演では、薬師寺金堂の建立にも携わった宮大工の菊池恭二先生をお迎えして「技の伝承と人育て」と題して貴重なお話を伺うことができました。
「木も人も癖はあるから面白い」という独自の弟子の育成について、そして最後に流されたビデオ映像では、教科書もない中から創りだす大工たちの姿と、完成時に次の時代につなぐために柱に入れ込んだ名前が映し出されました。看護技術は、次世代へ何をつないでいくことができるのか、会場からざわめきが聞こえた瞬間でした。
長期にわたり企画・運営に関わっていただいた企画委員の皆様、実行委員及びボランテイアの方々、また多くの協賛いただいた皆様に感謝し、厚く御礼申し上げます。
日本看護技術学会第10回学術集会
大会長 陣田泰子