4月の季節の晴れやかさ、温もりの心地よさ、一斉に芽吹きを引きおこさせる自然の力強さは、いったいどこからやってくるのだろうかと、つい大空を見上げてしまいます。そこに済んだ青い空間が広がっているのを見ると、また感謝の気持ちがわき上がってきます。
新しい年度の始まりを迎えられて気持ちを一新して臨んでいらっしゃることでしょうか。本学会においても、旭川医大の岩元純大会長さん始めみなさま方のご尽力によって、年1度の大事業である学術集会の演題登録の受付が開始されました。大勢のみなさまがホームページにアクセスされる回数も増えてきていることと思います。 今年度は、新企画として「事例交流セッション」も企画されています。臨床における貴重な一事例を大切にクリティカルに分析し共有していくという試みは、大変魅力的です。これまでにも、そうした一事例への気づきが蓄積されて、看護技術やその技術を支える理論が生み出されてきたことでしょう。一番身近な体験を持ち寄ることで、ディスカッションもにぎやかになると思われます。
第1回の理事会では、暫定的に事業計画と予算案を立案して活動を開始しました。新年から3月までの経過の中で、ホットな話題をいくつかまとめてみました。
1)各委員会活動からみえてくること
編集委員会では、この4月に会員にお届けした学術誌8巻1号に続いて、2号の発刊の予定で編集作業を進めて頂いています。秋には3号を発刊したいと精力的に作業を進めて頂いています。会員のみなさん方の研究の努力がないと発行出来ません。ということは、みなさんの研究の成果が実ったということで、大変うれしく思う次第です。これまで、眼に見える形に表しにくい、評価法が明確でない、エビデンスレベルが低い・・・など問題視されることもありましたが、看護領域に独自の研究方略も広がってきて、評価指標も開発されてきたことの成果を実感しています。こうしたことの積み重ねが診療報酬の評価のためのエビデンスに繋がっていくことと期待出来ます。すでに次の2010年度の改訂に向けての動きも始まっています。看護技術の診療報酬化に向けて提案出来るように努力していきたいものです。看護技術成果検討委員会での情報整理も進められています。多くの事例を集めるためには、研究推進委員会の支援が受けられます。どうぞご相談ご活用ください。
2)10周年記念事業の企画
10周年記念事業誌の編集方針について検討を開始しました。大きく3つの柱で検討していきたいと考えております。その一つは、科学技術の進歩している今日、改めて「看護技術論」を深めてみる。その二つは、ナースの手を支えてきた看護用具の変遷を振り返ってみる。その三つは、あっという間に経過してきた技術学会10年間の歩みを整理しつつこれからを展望してみる。これらのテーマについては、今年度の学術集会の話題としても提案していきたいと考えております。会員の皆様からのご提案をお待ちしております。
桜吹雪に見舞われながら
平成21年4月8日
小板橋喜久代