日本看護技術学会

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排便ケア(GE・摘便)班〔旧・浣腸(GE)班〕

班長 栗田愛(人間環境大学)
連絡先:a-kurita@uhe.ac.jp
メンバー 泉谷泰行(園田学園大学)
大久保暢子(聖路加国際大学)
北川那美(みんなのかかりつけ訪問看護ステーション藤が丘)
武田利明(前岩手県立大学)
浪切もり子(葵訪問看護ステーション)
道畑恵利(鶴ヶ島訪問看護ステーションピアラボ)
吉井紀子(園田学園大学)

活動目的

グリセリン浣腸による有害事象が後をたたない状況において、この要因を明らかにし、有害事象を回避するための方策を確立することを目的とする。また、グリセリン浣腸を含む排便ケアの安全で効果的な実施方法やアセスメントについて研究成果を蓄積・普及することを目的とする。

◆ 班名の変更

2006年に「グリセリン浣腸(GE)班」を発足し、安全なグリセリン浣腸について活動をして参りました。その後、活動内容がグリセリン浣腸にとどまらず、排便ケア全般に広がったため、2023年9月に班名を「排便ケア(GE・摘便)班」へと変更いたしました。

グリセリン浣腸の有害事象とは?

グリセリン浣腸には、主に3つの有害事象(考えられる原因)が報告されています。

  • 血圧低下、徐脈、意識消失(原因:迷走神経反応)
  • 直腸穿孔、直腸粘膜損傷(原因:浣腸のカテーテルなど)
  • 溶血、血色素尿、腎機能障害(原因:直腸粘膜の損傷部から血管内にグリセリン浣腸液が移行し浸透圧差で赤血球を破壊すること)

直腸穿孔・損傷、溶血、腎機能障害などの有害事象は、20年以上前から現在に至るまで継続して報告されています。とくにグリセリン浣腸は、摘便と併用して実施される場合、有害事象のリスクが高まる可能性が指摘されています。そのため、安全な実施に向けては、適切な知識・技術に加え、的確なアセスメントが求められます。


活動報告

◆ グリセリン浣腸Q&A

グリセリン浣腸を安全に実施するための手引きです。是非臨床で活用してください。
グリセリン浣腸Q&Aはこちら

◆ 摘便動画(YouTube)「摘便の技術」

グリセリン浣腸と併用することがある摘便の実施方法です。是非、教育等で活用してください。

「摘便の技術Ⅰ」

「摘便の技術Ⅱ」


◆ 「在宅排便管理指導料(仮称)」技術の診療報酬申請

診療報酬化・看保連チームと連携し、温罨法班と共同して開発した「在宅排便ケアパッケージ」に基づき排便ケアを提供する新規技術を診療報酬へ申請する活動を行っています。

〔実績〕

  • 2025年度 令和8年度診療報酬改定に向けて「要望書」「医療技術評価提案書」を提出
  • 2023年度 看保連研究助成採択 … ◆研究成果 参考文献 参照

◆ 研究成果

  1. 「在宅排便ケアパッケージ」
    排便障害を有する在宅要介護高齢者に対して、訪問看護師が体系的なフィジカルイグザミネーションを用いて、排便ケアの必要性や支援技術を科学的根拠に基づき判断・実施する新規技術を開発し、効果を検証しています。
  2. 有害事象や排便ケアに関する基礎的データの収集
    グリセリン浣腸による有害事象の調査研究や、在宅における排便ケアの実施状況の実態調査を行い、エビデンスを蓄積しています。

参考文献

  • 栗田愛, 加藤木真史, 加藤京里, 菅原啓太, 吉井紀子, 北川那美, 大久保暢子. (2025). 利用者の身体的負担および訪問看護業務負担の軽減に資する便形状の検討―全国訪問看護ステーションを対象とした浣腸と摘便を含む排便ケアの横断的研究―. 日本看護技術学会誌, 24, 68-78.
    https://doi.org/10.18892/jsnas.24.0_68(◆看保連研究助成研究)
  • 栗田愛, 武田利明. (2024). 在宅要介護高齢者のグリセリン浣腸による有害事象を回避し排便を促進する新規看護実践フローの提案. 日本看護技術学会誌, 23, 105-114.
    https://doi.org/10.18892/jsnas.23.0_105
  • 栗田愛, 武田利明. (2023). 在宅要介護高齢者に対して看護師が実践するグリセリン浣腸と摘便に関するアセスメントのプロセス. 日本看護技術学会誌, 22, 15-27.
    https://doi.org/10.18892/jsnas.22.0_15
  • 香春知永, 大久保暢子, 小板橋喜久代, 吉田みつ子, 鈴木美和, 武田利明. (2007). 臨床およびテキストからみたグリセリン浣腸の実施方法の現状と課題. 日本看護技術学会誌, 6(2), 34-44.
    https://doi.org/10.18892/jsnas.6.2_34
  • 武田利明, 小板橋喜久代, 香春知永, 吉田みつ子, 大久保暢子, 鈴木美和. (2006). グリセリン浣腸による有害事象の現状と今後の課題. 日本看護技術学会誌, 5(2), 4-11.
    https://doi.org/10.18892/jsnas.5.2_4

◆ 交流セッション開催

グリセリン浣腸、摘便、排便アセスメントなどをテーマに、学術集会で交流集会を開催しています。

学術集会
(開催場所)
開催日時テーマ開催報告
第23回
(京都)
2025年10月その排便ケア、ほんとうに安全ですか?
〜排便ケアパッケージの提案〜
開催案内
第22回
(札幌)
2024年10月最新の研究成果からグリセリン浣腸を含む排便ケアの基本について考える-
第21回
(熊本)
2023年10月グリセリン浣腸を含む確かな排泄ケア技術について考える-
第20回
(オンライン)
2022年11月安全なグリセリン浣腸と摘便の実施について考える-
第19回
(愛知・ハイブリッド)
2021年10月安全なグリセリン浣腸の実施について考える-
日本在宅看護学会
第10回
(愛知)
2020年10月安全なグリセリン浣腸の実施について考える-
第18回
(福井)
2019年9月安全なグリセリン浣腸の実施に至るまでの思考プロセスについて考える-
第17回
(青森)
2018年9月グリセリン浣腸の安全な実施に向けた検討と普及について考える-
第16回
(東京)
2017年10月安全なグリセリン浣腸の普及について考える
Q&Aの充実と摘便の実際
-
第15回
(群馬)
2016年9月安全なグリセリン浣腸の普及について考える
Q&Aの充実と検討課題
-
第14回
(愛媛)
2015年10月グリセリン浣腸の現状について改めて考える
特に在宅での実施状況について
-
第11回
(福岡)
2012年9月小冊子『グリセリン浣腸Q&A(2011年版)』の評価と普及について開催報告
第10回
(東京)
2011年10月グリセリン浣腸実施ガイドラインの作成に向けて-
第9回
(愛知)
2010年10月グリセリン浣腸の安全性について考える
浣腸実施後の直腸粘膜の変化
-
第8回
(旭川)
2009年9月グリセリン浣腸の有害事象について考える
有害事象回避のための今考えられる実施方法について
-
第7回
(青森)
2008年9月グリセリン浣腸の有害事象について考える-
第6回
(群馬)
2007年10月排泄の援助技術
グリセリン浣腸による有害事象について考える
-
第5回
(岡山)
2006年11月グリセリン浣腸による有害事象について考える-

◆ 全国キャラバン研修会開催

温罨法班と合同で開催しています。

開催回 開催日時 開催場所 テーマ 開催報告
第14回 2024年12月 人間環境大学
(愛知)
エビデンスに基づく排便援助の技 開催報告
第10回 2023年2月 オンライン エビデンスに基づく排泄援助の技 開催報告
第5回 2022年2月 オンライン エビデンスに基づく排泄援助の技 開催報告
第4回
Part3
2021年2月 オンライン エビデンスに基づく排泄援助の技
-温罨法・浣腸・摘便について学ぼう!-
開催報告
第2回 2020年1月 人間環境大学(愛知) エビデンスに基づく排泄援助の技 開催報告