日本看護技術学会

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【第14回学術集会】会長挨拶

日本看護技術学会第14回学術集会を終えて
「看て・・触れて・・言葉で伝える看護の技」
 
会長 佐伯 由香(愛媛大学)
 
この度、みなさまのご支援のもと、愛媛県松山市において日本看護技術学会第14回学術集会を開催し成功裡におさめることができました。心より感謝申し上げます。
 
平成27年10月17日(土)~18日(日)に、ひめぎんホールを会場に、674名のみなさまにご参集いただきました。今回はキーセッション5題、交流セッション11題、特別セミナー2題、一般演題総数69題、卒業交流セッション10題からなる学術集会を開催することができました。
 
今回の学術集会のメインテーマは「看て・・触れて・・言葉で伝える看護の技」でした。松山市は、「いで湯と城と文学のまち」と言われています。小説「坊っちゃん」で有名な道後温泉、姫路城とならび連立式の天守を有する松山城、そして俳人正岡子規をはじめ、多くの文人を輩出していることからこのように言われています。文学は文字を通して多くの人の心に働きかけたり、訴えたりします。自分で考えたこと、思ったことを自分の内に止めず、「言葉で表現する」ことによって多くのことが情報として発信できます。また、言葉にすることで気持ちが整理され、自身を振り返ることもできます。言葉に込められた意味、表現の仕方によってさまざまな顔を持つ言葉というものを皆様と一緒に改めて考えてみたいと思い、このようなテーマにしました。
 
キーセッションⅠでは、会長の佐伯由香が本学術集会のテーマである「言葉で伝える」ということについて、その難しさやすばらしさなどを話し、本学術集会の導入としました。
 
キーセッションⅡでは、元東京電機大学の小川鑛一先生に「言葉と模型で伝える看護の技-看護技術教育のエビデンス-を探る」をテーマにご講演をしていただきました。小川先生のご専門は人間工学で、これは看護技術になくてはならない基礎的な知識であり学問です。しかし、物理学の知識が必要なため、看護職者にはなかなか理解されにくい領域でした。今回、先生ご自身が作成された多くの模型を通して、非常に分かり易く説明していただきました。
 
キーセッションⅢでは、正岡子規がご専門の愛媛大学教育学部の青木亮人先生と、砥部焼きよし窯の山田ひろみ氏にご講演いただきました。青木先生のテーマは「病臥の正岡子規と日常の「写生」について-病人の自己救済について考える-」で、先入観を捨てて現実のありのままを見つめようとする子規の「写生」を、闘病生活との関連でお話くださいました。山田氏は、女性作家による砥部焼応援隊「とべりて」の中心人物であり、女性らしい感性を盛り込んだ、新しい砥部焼に挑戦している方で「女性の出番~伝統文化にしなやかな感性を重ねて」をテーマにお話いただきました。愛媛県の文化に触れていただけたのではないかと思っております。
 
キーセッションⅣは「語りを紡ぐ俳句の力」をテーマに、日本臨床心理士会/日本俳句教育研究会の秋川雅与先生にご講演いただきました。俳句や句会を通して患者やそのご家族と向き合ってきたご経験を拝聴し、私たち看護職者の対象者への関わり方について改めて考えさせられました。
 
キーセッションⅤは、本学術集会副会長の田渕典子氏(愛媛大学医学部附属病院)に「温もりのある看護、それは共創から」というテーマでご講演いただきました。ご自身の長い臨床経験から築き上げた、看護技術のエビデンスと看護職者のナーシングマインド必要性についてお話いただきました。
 
いつも週末は台風を心配している季節でしたが、幸い2日間とも好天に恵まれ、無事終了することができました。参加されたみなさまが、「言葉」について改めて考えると同時に、道後温泉をはじめとした松山の街を楽しんでいただけましたら幸いです。ありがとうございました。会員の皆様のご健勝と今後のご活躍をお祈り申し上げます。